
おもちゃのイメージが変わる時代
みなさんは「おもちゃ」と聞いて、どんなものを思い浮かべますか? 多くの人が「子どもが遊ぶもの」「小さい頃に卒業したもの」と思うかもしれません。
でも今、中国の若者たちの間で、おもちゃが新しい文化として再評価される現象が起きています。
その中心にあるのが、TOPTOY(トップトイ)というブランドです。
2020年に誕生したTOPTOYは、これまでの“こども向け”という枠を超えた、「見る」「集める」「共有する」楽しさを備えた、まったく新しいおもちゃの楽しみ方を提供しています。
TOPTOYとは?― 世界中のトイカルチャーを集めた「百貨店」
TOPTOYは、中国の雑貨大手「名創優品(MINISO)」が立ち上げたトイブランドです。現在は中国全土のショッピングモールを中心に、100以上の店舗を展開しています。
このブランドの最大の特徴は、自社キャラにこだわらず、世界中のアートトイ・キャラクターグッズ・模型などをセレクトして展開する点です。
つまりTOPTOYは、“おもちゃのセレクトショップ”なのです。
たとえば、「ディズニー」「サンリオ」などの商品はもちろん、そして世界中のデザイナーズフィギュアなど、ジャンルも国籍も超えて取り揃えられているのが特徴です。


ただ買うだけじゃない、“体験”としての魅力
TOPTOYは、ただ商品を陳列して販売するだけの場所ではありません。来店者が「見て楽しむ」「選んで発見する」「開けて驚く」「撮って共有する」——そんな体験を味わえる空間なのです。
たとえば、店内の展示棚は「商品棚」というより「ギャラリースペース」のようにデザインされています。作品ごとに世界観を反映した空間演出がなされ、立ち止まって写真を撮るお客さんの姿もよく見られます。
また一部の大型店舗では、ブラインドボックスの開封体験コーナーや撮影ブースが設けられています。
買ったばかりの商品をその場で開けて、背景パネルの前で写真を撮ってSNSに投稿する——それが1つのエンタメになっているのです。
Z世代の「癒し」や「自己表現」としてのトイ
では、なぜこれほどまでにTOPTOYが中国の若者に支持されているのでしょうか?
その背景には、Z世代特有の価値観の変化があります。
今の若者たちは、親世代のように「競争して勝ち抜く」ことよりも、「自分らしくあること」や「心地よさ」を大切にする傾向があります。
そんななかで、TOPTOYのような空間は「好きなものに没頭する癒しの時間」や「誰にも邪魔されない感性の表現の場」として機能しているのです。
また、ブラインドボックスという“中身が分からない”仕組みは、「偶然の出会い」や「開けるドキドキ感」といった、日常に刺激を与えてくれる仕掛けとしても人気です。
SNSとの相性も抜群で、小紅書(RED)や抖音(TikTok)では「#TOPTOY」「#開箱(開封)」といったハッシュタグが多数投稿されています。
そのため、ただ買って満足するのではなく、「推しトイを見つけた!」「レアが出た!」という“体験そのもの”がコンテンツになるのです。
価格と品ぞろえのバランスが◎
TOPTOYの商品価格は、学生にも手が届く水準に設定されています。
多くのブラインドボックスは1箱30〜80元(日本円で600〜1600円程度)と手頃で、「今日がんばったご褒美に1個」「友達と1個ずつ買って比べる」など、日常の中で気軽に楽しめるのも人気の理由です。
さらに商品ジャンルが広いため、「アニメ好き」「模型好き」「かわいいもの好き」など、多様な趣味を持つ若者が一緒に楽しめるのも強みです。
おもちゃはもう、ただの「遊び道具」じゃない
TOPTOYが示しているのは、おもちゃが「遊ぶもの」から「感じるもの」へと進化しているということです。
それはZ世代の価値観の変化、SNSを通じた共感文化、多様性の尊重といった、いまの時代を反映した新しいカルチャーでもあります。
もし中国を訪れることがあったら、ショッピングモールでTOPTOYを見かけるかもしれません。
そのときは、ただ通り過ぎるのではなく、ぜひ店の中に入ってみてください。
きっとあなたにも、心に響く“推しトイ”が見つかるはずです。
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