
中国や香港を旅行する際に欠かせないのが モバイル決済。中でも WeChat Pay(微信支付)は、タクシーからコンビニ、レストランまで幅広く利用されており、現金よりも便利といわれています。
今回は深圳大学サマーキャンプ2025の引率教員として中国へ渡航し、深圳と香港で実際に WeChat Pay を利用した体験をもとに、「最新の利用状況」と「外国人が注意すべき点」をまとめました。

深圳での利用体験
QRコードだけではなく、
実際に使ってみて感じたのは、WeChat Pay の利用範囲の広さです。深圳でも香港でも、コンビニ、レストラン、スーパー、公共交通、果ては屋台まで、ほとんどの場面で「微信支付(WeChat Pay)」のマークを見かけます。現金を持ち歩かずに済む安心感は大きく、旅行者にとってもストレスが少ない決済手段といえます。
さらに注目すべきは、多様な認証手段。スマホ画面を使った QR 決済に加え、掌紋認証(手のひら認証)や顔認証での支払いも可能です。コンビニや一部のスーパー、さらに深圳大学の学食でもレジ横に手のひらをかざすだけで支払いが完了する端末が設置されており、未来感を強く実感しました。指紋や顔と同じように、手のひらで決済が完了する仕組みは、中国ならではの先進的なキャッシュレス文化の象徴です。

写真にはスマホのQRコードで支払う様子だが、手のひらをスキャンすることもできる
個人のQRコードへの支払は、クレジットカードからの引き落とし不可
以前の記事に「個人間送金の場合は、クレジットカードからの引き落としはできない」との記載があるため、今回は改めて確認しました。街中の個人経営の売店や小さなレストランでは、レジ横に 個人アカウントのQRコード が置かれているケースが多くあります。これらのお店に訪れる場合は、現金を準備しておくと安心です。
もちろん、大型チェーン店(セブン、ローソン等)やモールの店舗では無事に使えました。
レンタルバイクや出前アプリは便利だが本人認証が必須
レンタルバイク(シェアサイクル)や出前(美団など)も WeChat Pay で決済可能です。ただし パスポートを用いた本人確認(顔写真アップロード必須) を完了していないと利用できません。また、本人確認の際に、中国の携帯番号も必須です。
旅行中に急に使いたくなっても登録が進まず困ることもあるので、事前にアプリ内で認証を済ませておくことが強くおすすめです。

香港での利用体験
香港で実際に試したところ 日本発行のクレジットカードは使えませんでした。
代わりに、私の場合は 中国本土の銀行口座から直接引き落とし される形で支払いが行われました。
調べたところ、香港版のWeChat Pay「WeChat Pay HK」も存在しているとわかりました。香港ユーザー向けのサービスとして設計されており、カードや銀行口座の紐付け、HKDチャージ、支払い、送金など幅広く機能し、中国本土、香港、マカオで使えるようです。だが、残念ながら、WeChat Pay HKはローカル銀行口座との連携が前提です。国際クレカの利用には制限があるようです。
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