
深圳大学サマーキャンプ2025の一環として、今年も高校生たちは大手電気自動車メーカー**BYD(中国・深圳市坪山区)**の見学ツアーへ連れて行かれました。この特別な機会に、高校生たちは世界をリードするモビリティ企業の最先端技術に触れ、大きな刺激を受けました。

目次
世界をリードする電気自動車メーカー・BYDとは
BYD(Build Your Dreams)は、1995年にバッテリーメーカーとして誕生し、その技術力を武器に電気自動車(EV)やハイブリッド車(PHEV)、バス、モノレールなど多彩なモビリティ分野へと発展してきました。
現在では世界EV販売台数でトップクラスのシェアを誇り、持続可能な社会を実現するリーディングカンパニーとして知られています。
近年はグローバル展開にも力を入れ、日本市場にも本格参入。横浜に本社を置くBYD Auto Japanを通じて、コンパクトSUV「ATTO 3」、小型EV「DOLPHIN」、セダン「SEAL」などを販売し、急速に存在感を高めています。日本各地のディーラー網も拡大し、EV市場に新しい選択肢を提供しています。
今回高校生たちが訪れたのは、深圳市の坪山区にあるBYD本社キャンパスです。
ここは研究開発・デザイン・生産・展示が集約された拠点で、広大な敷地内には先進的なオフィスや実車展示場が整備されています。まさに**「BYDの心臓部」**ともいえる場所で、訪問者は最新のクルマや未来のモビリティの姿を体感できます。



BYDの歩みと独自の技術プラットフォーム
見学ではまず、BYDの企業の歩みや強みについて紹介を受けました。創業当初のバッテリー事業から始まり、いまや世界的な電気自動車メーカーへと成長した道のりが語られました。
最初に、BYDのプラグインハイブリッド(PHEV)技術について紹介されました。



BYDのPHEVは「DM(Dual Mode)」と呼ばれるシステムを採用しており、生活スタイルや利用シーンに応じて、燃費性能を最大限に重視し、日常走行ではモーター主体で静かに、長距離ではエンジンと協調して効率的に走れるDM-i(インテリジェント)、力強いトルクと加速性能を重視したスポーツ仕様のDM-p(パフォーマンス)、悪路走破性を重視し、SUVやアウトドア向けに設計されたDM-o(オフロード)の3つのプラットフォームがあります。
高校生たちは、「日常生活用ならDM-iがいいね。」、「0-100km/h は3.7秒で僕絶対DM-p!」、「DM-oの車で家族とキャンプに行きたい」など、自分の未来を重ね合わせながらワクワクして話し合う姿が印象的でした。
独自のバッテリー技術:5分で400km分の充電
さらに見学のハイライトとなったのが、BYDの独自バッテリー技術です。「スーパーeプラットフォーム」という技術によって、わずか5分の充電で最大400kmの走行が可能になると紹介され、高校生たちからは「え、本当に!?」と驚きの声が上がりました。
「これならもうガソリンの給油と同じくらいのスピードじゃん!」
未来を想像して盛り上がる高校生たちの姿に、この技術が単なる工学的な進歩ではなく、若者の夢やライフスタイルを変える可能性を秘めていることが伝わってきました。
BYD独自のブレードバッテリー、安全性は世界トップクラス
BYDが世界で高く評価される理由のひとつが、独自開発の**「ブレードバッテリー」**です。
従来のリチウムイオン電池に比べ、飛躍的に安全性を高めたこのバッテリーは、業界でも最も厳しいとされる試験をクリアしています。
- 釘刺し試験(ネイルテスト)でも発火しない:電池に鋭い釘を突き刺す極限の状況でも爆発や発火を起こさない設計。
- 過熱に強い:高温下でもサーマルランナウェイ(熱暴走)が起こりにくく、安定した性能を維持。
- 衝突時の耐久性が高い:セルを「薄く・長く」配置することで、外部からの圧力や衝撃を分散できる構造。
こうした特性により、ブレードバッテリーは**「世界で最も安全なEV用バッテリーのひとつ」とも呼ばれています。
実際に展示車両の説明を受けた高校生たちは、速さや走行距離に驚くだけでなく、
「これなら家族も安心して乗れるね!」
「未来のクルマは安全面でもすごい進化をしているんだ!」


実際に「触れて、乗って、体験する」
学びだけでなく、体験も盛りだくさん。展示された最新モデルの車両に実際に触れたり、座席に座ったりと、五感でEVの魅力を感じられる時間が用意されました。
中には未来的な内装や先進的な操作パネルに目を輝かせる生徒も。
「教科書では学べないリアルな技術を体感できた!」と、興奮気味に話す姿が印象的でした。






思い出とお土産も満載
見学の最後には、BYDブランドのグッズコーナーへ。
ここでは特製のBYDコーヒー、スムージーを味わったり、人気のソフトシェルジャケットを購入する生徒もいました。お土産を手に、笑顔で写真を撮り合う姿からも、充実感が伝わってきます。



高校生たちの感想
「電気自動車の仕組みを実際に見て、未来の社会が少し身近に感じられた」
「BYDの取り組みを知って、自分の将来の進路について考えるきっかけになった」
多くの高校生にとって、この見学は単なる観光ではなく、未来への視野を広げる貴重な経験となりました。
今回のBYD本社訪問は、深圳大学サマーキャンプの中でも大きなハイライトとなり、高校生たちの心に強い印象を残しました。これからも深圳大学は、学びと体験を融合させたプログラムで、未来を担う若者たちの成長をサポートしていきます。