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中国SF小説『三体』由来の中国語流行語

『三体』とは

『三体』は中国のSF作家劉慈欣(Liu Cixin)によって2008年に発表された長編SF小説である。今でも中国においてSF界のトップの地位を占めている。「三体」の由来はニュートン力学にある古典的な「三体問題」だといわれる。ある惑星は質量がほぼ等しい三つの恒星の引力で乱れた軌道を取り、地球人が想像しがたい、過酷極まりない世界になっている。その世界に住んでいるのは「三体星人」と呼ばれる宇宙人である。『三体』は人類と「三体星人」との接触及び対立について描いている。

『三体』の日本上陸

日本では、早川書房より2019年に刊行されました。日本でもSF文学は人気が高く、特に技術や未来社会に関するテーマに対する関心が深い。「三体」が日本市場で成功するためには、翻訳の質やマーケティング戦略が重要となる。適切な翻訳によって原作の雰囲気や意図が正確に伝わることが求められる一方で、効果的なプロモーションや読者とのコミュニケーションを通じて、作品の魅力を広く伝えることが不可欠である。日本の読者にとって、「三体」は新鮮で刺激的な読書体験となることが期待される。異なる文化背景から生まれた視点やアイデアが、日本の読者に新たな知識や考え方を提供し、SFジャンルの可能性を拡大するだろう。ところで、深圳大学東京校の在校生にも『三体』のファンがいるようで、学校の図書コーナーに本を持ってきた。

『三体』の実写化作品

  1. 中国版実写ドラマ
    2019年に、中国の動画配信サービス「騰訊視頻(テンセントビデオ)」が『三体』の実写ドラマ化を発表した。このプロジェクトには、中国の有名な監督や俳優が参加し、主役の1人である于和偉は人気ドラマ『三国志』で劉備を演じたもともある。ドラマの撮影は主に中国国内で行われ、質の高いCGを大量に運用することでは原作の内容に忠実に再現できたことで好評されている。
  2. Netflix版実写シリーズ
    2020年には、Netflixが『三体』の英語版実写シリーズの制作を発表した。プロデューサーには、『ゲーム・オブ・スローンズ』の制作で知られるデヴィッド・ベニオフとD.B.ワイスが名を連ねている。このシリーズは、国際的な視聴者向けに作られ、グローバルなキャストと制作チームが参加している。Netflixのプロジェクトは、劉慈欣自身もエグゼクティブプロデューサーとして関与している。

『三体』に出てきた流行語

『三体』の壮大な世界に多くの概念と用語が現れる。一部の用語はSFファンの間だけではなく、多くの人の日常生活にも馴染んでいるようだ。代表的なのは下記の3語である。

1.降维打击(低次元化攻撃)

「维」は日本語の「次元」の意味であり、日本語版の小説では「低次元化攻撃」と訳されている。小説の中では、宇宙人による「太陽系を三次元空間から二次元空間へと引き下げる」という一種の攻撃方法を指して使われている。この言葉は、ビジネスの世界でも広く伝わり、圧倒的に優れた技術を持つ者が、技術力で劣る人々に打撃を与えるという意味になった。

2.这是计划的一部分。(これは計画の一部だ。)

三体星人に対抗するために選ばれた人間は、作戦計画が漏洩しないように、周りから理解できない行動をして質問された際は「これは計画の一部だ」と答える。周りに自分の行動の理由を説明したくない場合に使う人もいるようだ。

3.不要回答!不要回答!不要回答!「応答するな!応答するな!応答するな!」

このフレーズは、小説の中で「紅岸基地」という中国の極秘プロジェクトが地球外文明との接触を試みる場面に由来します。紅岸基地の科学者が地球外知的生命体にメッセージを送信した後、最初は三体文明の返信の最初「応答するな!応答するな!応答するな!」という警告が含まれていた。この警告は、宇宙において他の文明に応答することの危険性を示している。小説の内容によると、返事に応答すれば、三体文明は地球の位置を特定し、地球を侵略するとのことである。インターネット流行語として、「不要…」三唱で強い警告の意味を表す。

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