
① はじめに
日本の高校生の中には、「中国の大学生活ってどんな感じなんだろう?」と思う人もいるかもしれません。同じアジア圏でも、日本と中国の大学のシステムや生活スタイルには大きな違いがあります。そこで今回は、日本で学ぶ中国人留学生の視点から見た日本の大学生活、そして中国の大学に留学したことのある日本人学生の視点から見た中国の大学生活を比較してみます。
② 中国人留学生が感じた日本の大学生活
授業スタイルの違い
日本の大学では、講義形式の授業が多いですが、ゼミやディスカッションの授業も重視されます。特に文系の学部では、学生が意見を発表する機会が多く、教授との対話も活発です。例えば、ある中国人留学生は「日本の授業では学生が積極的に手を挙げて発言するのが印象的だった」と話しています。一方、中国の大学では授業は基本的に講義形式で、教授の話を聞いてメモを取るスタイルが主流です。学生が自分の意見を述べる機会は比較的少なく、試験対策が重視される傾向があります。
キャンパスライフ
日本の大学では、サークル活動や学園祭が非常に盛んです。例えば、東京のある大学では100以上のサークルが存在し、スポーツ、文化系、ボランティア活動など、学生が自由に参加できます。学園祭では模擬店を出したり、ステージ発表を行ったりと、学生主体のイベントが多く、中国の大学生にとっては新鮮な体験となります。一方、中国の大学でもクラブ活動はありますが、日本ほど活発ではなく、多くの学生は学業を優先します。
アルバイト文化
日本の大学生の多くはアルバイトをしており、コンビニ、カフェ、塾講師、飲食店など多岐にわたります。アルバイトを通じて社会経験を積み、人間関係を広げることができます。ある中国人留学生は「日本の大学生は勉強だけでなく、アルバイトも頑張っていて驚いた」と語っています。一方、中国では大学生がアルバイトをすることは少なく、多くの学生が親からの仕送りで生活しています。

日本の大学の自由さ
日本の大学では履修の自由度が高く、自分の興味のある授業を選択することができます。例えば、文学部の学生が経済学の授業を履修することも可能です。しかし、中国の大学では、多くの学部でカリキュラムが固定されており、決まった科目を受ける必要があります。そのため、日本の大学に来た中国人留学生は、履修の自由さに驚くことが多いです。
③ 日本人学生が感じた中国の大学生活
授業スタイル
中国の大学では、教授の発言が非常に重要視され、学生が自由に意見を言う場面は少なめです。ある日本人留学生は「教授が講義を進める間、学生は静かにメモを取り、質問することはほとんどなかった」と話しています。また、成績管理が厳しく、試験の成績によって将来の就職にも影響があるため、学生たちは勉強に真剣に取り組みます。

キャンパスの特徴
中国の大学では、ほとんどの学生が学生寮で生活しています。4人〜6人の相部屋が一般的で、共同生活を通じて友人関係が築かれます。例えば、中国の大学に留学した日本人学生は「夜遅くまでルームメイトと話し込んだり、一緒に勉強したりすることが日常だった」と述べています。また、キャンパスの規模が非常に大きいため、移動には自転車を使うことが普通です。
特に深圳大学のような大規模な大学では、キャンパス内にゴルフ場や広大な図書館があり、学習環境が非常に充実しています。深圳大学の図書館は蔵書数が多く、学術研究の場としても活用されており、多くの学生が自習スペースを利用しています。また、大学内には本格的なスポーツ施設も整っており、体育館やプールだけでなく、サッカースタジアムやテニスコートも完備されています。さらに、深圳大学のキャンパスは非常に広大で、学生や教職員は移動に電動カートのような小型車を使用することが一般的です。ある日本人学生は「深圳大学では大学内にあらゆる設備が整っていて、まるで一つの都市のようだった」と驚いていました。
食事と生活
深圳大学には複数の大規模な学生食堂があり、メニューの種類が豊富で、しかも非常に安価です。例えば、定食が日本円で約150円〜300円程度で食べられるほか、広東料理や四川料理など地域ごとの特色を持つ料理が提供されています。さらに、カフェテリアスタイルの食堂だけでなく、フードコートや専門レストランもあり、学生たちは気分に合わせて食事を選ぶことができます。深圳大学の食堂は24時間営業の場所もあり、夜遅くまで勉強する学生にとって便利な環境です。また、中国の大学では友人同士で食事をすることが一般的で、一人で食事をする人は少なく、食事の時間が交流の場となっています。

イベントと課外活動
中国の大学では、「学生会」と呼ばれる学生自治団体が非常に重要な役割を果たしています。学生会は大学運営の一部を担い、学生の意見を学校側に届けるだけでなく、学内のイベントの企画や実施にも深く関与します。特に深圳大学の学生会は規模が大きく、各学部ごとに分かれた組織があり、定期的に討論会や交流イベントを開催しています。ある日本人留学生は「深圳大学の学生会は、単なるクラブ活動ではなく、大学運営の一環として影響力を持っているのが印象的だった」と話しています。学生会のメンバーになることで、リーダーシップ経験を積むことができ、卒業後のキャリアにも有利に働くことが多いとされています。
④ まとめ
日本と中国の大学は、教育システムや生活スタイルが大きく異なります。日本の大学は自由な履修制度やサークル活動が魅力的であり、中国の大学は競争が激しく、寮生活を通じて深い人間関係が築かれるという特徴があります。
もし日本の高校生で「中国の大学に興味がある!」という人がいれば、交換留学や短期留学の制度を利用するのもおすすめです。本学では夏にサマーキャンプがあり、夏休み中に本校へ2週間留学することが可能です。世界各国の学生が本校に集まるため、中国語だけでなく英語を使う機会も多く、語学力向上にも役立ちます。
どちらの大学も、それぞれの魅力があります。ぜひ、興味を持ったら実際に交流してみて、自分に合ったスタイルを見つけてみてください!